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2014.05.01

不動産フォーラム21

8%消費税の実感

 

 消費税が引き上げられ1ヶ月がたちました。普段どおりにスーパーマケットやドラッグストアで日常品を買いものすると“微妙な支払額の多さ”を感じますが、数か月もすると、この感覚もマヒして8%消費財を受け入れていく自分を想定できてしまいます。でもこの違和感は今は消費者のサイフのヒモを固くしているようで、買い控え現象があり、多くの小売業が売上を落としています。

 

 逆に3月は駆け込み需要がすごかったですね。知人が新車購入で在庫なしとディーラーに言われたり、ファッションショップは130%~170%の3月昨対売上であったり、百貨店で高級品が売られたり、定期券売場の行列がいつまでも続いたりと、街中がちょっとしたフィーバー状態でした。私も花粉症がひどく仕事中にドラッグストアに駆け込んだらすさまじい人の列。日用雑貨やら常備薬やらの買い込みにおどろきました。ダイエットフードをレジで山のように買い込む主婦を見て「そこまでしなくても」と思い。1997年の3%→5%引き上げ時の混乱ぶりを思い出しました。あの時もすごかった。

 

 ただ、1997年と今回の違いは、春先から始まった消費財対策の買いだめ行動に対し、「買いだめしないことが最もクールな消費税対策だ」と言っている世論があったことではないかと思います。「家の中に在庫や代理品はたくさんある。増税対策という雰囲気にのせられてお金を使うのはムダ」「たくさん買ってしまうと乱暴な使い方になったり、ストックする場所がムダ」という意見が意外と若い世代から聞こえてきました。モノ消費慢性世代(35歳以上)に対し嫌消費世代(20代・30代)はきわめてクールな受け止め方をしていて、“賢明さ”を感じ感心しました。

 

 4月以降、女性達はあちこちで3%UPの違和感を感じて暮らしていますが、男性達はどうでしょうか?

 

 先日ビジネスマンからこんなことを聞きました。その人の職場があるオフィス街は居酒屋激戦区なので、居酒屋の昼のランチから夜のチョイのみまで一切の値上げはなしだそうです。一軒がそれを始めれば競合他店も負けじと料金据え置き(事実上3%値下げ)であり、ビジネスマンにとってありがたい出来事だと職場でご近所居酒屋評価が上がって、飲みに行く回数が増えたそうです(笑)。また別のビジネスマンは「今までランチが税込1,050円と表示していた店が増税になって1,050円+8%をとっている。これって実質的な値上げでおかしいよ」と言っていました。するどい指摘ですよね。この例は意外と見落としがちなのですが、私の周囲にも多くあって、よく立ち寄る新幹線改札口前のコーヒースタンドでは、たしか3月まで290円(税込)だったコーヒーが4月から310円(税込)に表示が変わってるのです。「あれ?おかしいぞ!? 10円強便乗値上げしてる。」店頭メニュー表は値段のところだけ書き換えられているので、意地悪な目で見ると、ハードリピーターでない限り部分書き換えのメニュー表を見て、増税対応として310円を自然に受け止めてしまうだろなあと思います。もうこのコーヒースタンド利用はやめようと思うのですが、改札前にはこの店しかなく、またコーヒーを買ってしまう私です。せめて便乗値上げ分、店員の笑顔を増やしてほしいなあ。

 

 1997年の増税はデフレ経済の入り口づくりとなってしまいましたが、今回は経済の先行きが明るい方向に向くような入り口となってほしいものです。

 

 

(記:島村 美由紀/不動産フォーラム21 2014年5月号掲載)