販売革新
今日からはじめる “感性育て”
長く商業にかかわり数多くの店舗や商業施設を国内外で見ていると「面白いセンスだ」「旬な感覚だ」「こんな工夫のやり方もあるのか」と感心する商業場面に出会い心躍ります。そして「一体どんな感性の持ち主がここをつくったのか?」と興味がわいてきます。皆様も同様の経験があるのではないでしょうか。
“感性”はよく使われる言葉で「センスのよい店」や「おしゃれな雰囲気」といわれ商業の世界では重要視されています。魅力的な店づくりのためにはいつでも感性を豊かに磨いておきたいものですが、目に見えず手に取れない自分の感性はどのように育てたらよいのでしょうか。今回は“感性の育て方”についてお話しをしてみましょう。
●感性とは?
「感性とは一体なに?」と聞かれると答えは難しいのですが「物事を感じ取る力とそれを表現する力」だと思います。世の中には大勢の「感性が豊かな人」「鋭い感性の持ち主」がいますが、そんな人に自分もなりたいと思ったらどうすればよいのでしょうか?
★自分の感性フィールドを見つけよう。
あなたの知っている感性豊かな人を思い出して下さい。その人は人生や生活の全てに感性が豊かでしょうか?私の知る限りマルチに感性豊か人はほとんどいません。ある分野だけに感性豊か、あれとこれの2分野に豊かというように限られた分野に感性を豊かに持つ人が多いと思います。よって何の分野で感性を豊かにしたいかという自分のフィールドを見つける事が第一歩になります。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があります。好きな事は苦にならず熱心に取り組めるので早く上達しやすく、また継続しやすいので、感性を育てるためには、まず自分の好きな分野を見極めることから始めましょう。もしも好きな事がわからない人は子供時代を思い出して下さい。人はそれぞれに育った環境や人間関係によって持つ感覚は違い、子供時代に好きだった事、得意だった事は大人になっても脳や心がつながっているものです。そこに自分の感性育てのフィールドが隠されているかもしれません。はじめは自分のフィールドを設定してみましょう。
★時間・心掛け・おこづかいの準備
好きな分野であれば情報に敏感になり、行ってみよう・見てみよう・体験しようという気になり時間をかける事が苦になりません。さらに日常的にコツコツとその分野を掘り起こす努力をし続ける心掛けを持ち、多少の自腹を切りおこづかいを使い自分の身にしていくことをいといません。他人(会社も含め)の懐から出たお金より身銭を切った体験や勉強は損をしたくないので自分の血となり肉となるものです。自分の感性フィールドを時間と心掛けとおこづかいを使いコツコツと見て聞いて体験して、研究を重ねていきましょう。
さらに上達するためにはその分野の先輩になる知人をつくって意見交換をすることもとても勉強になるチャンスだと思います。
★最も重要なのはアウトプット
コツコツの研究を続けると自分の中にその分野の思考(考え方)が貯まるので必ずアウトプットしていきましょう。アートや言葉や文章や音楽やデザイン、アクションetc。色々な表現方法があると思いますが、研究を貯め込むばかりで沈黙する事はNGです。必ず表に表現し、人々に伝える事で人から評価されアドバイスをもらえ、そこから新たな感性のスパイラルアップが始まります。また他者とのコミュニケーションの輪も広がっていきます。
●感性は一生育てられる能力
感性が豊かと評される人は少し早めに“好きこそ物の上手なれ”から自然に自分の感性フィールドを見つけコツコツの研究を続け、自分の考えや創造物をアウトプットしてきた人たちです。感性は後天的に身に備えることができる能力で死ぬまでブラッシュアップ可能な能力です。
さらにみなさんはその育てた感性を表現できる商業というステージを持っています。店舗デザイン・店内ディスプレイ・商品企画・商品構成・VP・VMD・接客技術・イベント・PRなど店舗にかかわる多くのポイントに育てた感性は生かすことができますよね。なるほど!と思った人は今日からでも感性育てを始めてみて下さい。私も“好きこそ物の…”で始めた世界を今日もブラッシュアップに勤しんでいます。
(記:島村 美由紀/販売士 第55号(令和7年3月10日発行)女性視点の店づくり㊶掲載掲載)