不動産フォーラム21
世界メジャー級が上陸 コーヒー店のニューフェイス‼
●世界のコーヒーチェーン店
ヨーロッパで店舗数1位のコーヒーショップ「コスタコーヒー」が日本に上陸しました。1号店は8月に渋谷、2号店は9月に大手町、3号店は10月に銀座。今後の出店も順次予定されており来年春までに10店舗以上の計画が進行しています。
「コスタコーヒー」は1971年にロンドンで設立したコーヒーチェーン店で、ヨーロッパを中心に世界で4,000店舗を展開する企業です。特にイギリス、ポーランド、中国等ではメジャーなコーヒーショップで、日本では2年前から日本コカ・コーラがペットボトル入りコーヒー飲料として先行販売しているのですでに愛飲している人もいるようです。
「コスタコーヒー」がヨーロッパで1位のコーヒーチェーンと聞くと、では2位、3位?と知りたくなりますが、ヨーロッパランキングNo.1コスタコーヒー、No.2スターバックス、No.3カフェ・ネロ、アメリカランキングではNo.1スターバックス、No.2ダンキンドーナツ、No.3ティムホートンズ、日本ランキングではNo.1スターバックス、No.2ドトールコーヒー、No.3コメダ珈琲となります。やはり世界中でスタバは強し!ですが、アメリカ2位のダンキンドーナツはドーナツ屋ではなかったのが驚きです。また日本3位のコメダ珈琲は東海地方では昭和からおなじみコーヒー店ですが、2003年関東進出を皮切りに全国出店を果たして3位の座を獲得し今ではドトールに肉薄する勢いになりこれにも驚きです。(日本No.3はタリーズだと私は思っていました。)
上陸したコスタコーヒーの幹部は「日本ではスタバがメジャーだが他の国際的なコーヒーチェーンは少ないのでコスタコーヒーのチャンスがある市場だ」と語っていました。その通りではありますが、アパレルでもスーパーマーケットでも国際的事業者が参戦しても日本のドメスティックな企業の強さは実証済み。ヨーロッパNo.1がどこまでがんばれるかは楽しみなところです。
●行ってみた渋谷店、隣はスタバにびっくり‼
早速ご近所の渋谷店に足を運びました。グーグルマップで調べていくと、青山通り沿いにおしゃれなスタバが見えてきます。「あれ、このマップ勘違いしてない?」とケータイに疑いの目を向けましたが、何とコスタコーヒーはスターバックスの真隣に渋谷店を開いていたのです。「知名度がこれからだからスタバ人気にあやかりたいのか、またはメジャーコーヒーチェーンが246沿いに並ぶことで話題をとろうとしたのか」理由はわかりませんが、あまりに意外な場所でした。
人気のエスプレッソとミルクをブレンドした「フラットホワイト(530円)」とウリにしている「スコーンサンド(511円)」を注文し、外のテーブル席で試食しました。値段なりに美味でした。若い女性たちがいち早く反応。外の看板をじっくり読み込む女性や店内でドリンクを注文する女性グループがいて平日で行列はできないもののお客様は途切れることがありませんでした。後日、銀座にイートイン併設の大型店が出店しメディア露出が増えることを予想すると、出だしは順調の様子です。小さな店で店内は赤をキーカラーにしカウンターを木にしたナチュラルモダンデザインで優しさのある都会感覚が醸し出され、接客もていねいで好感が持てます。
近ごろはどこに行ってもスタバだらけ(全国1,846店、2023年)で、あの接客にも慣れすぎてしまいましたので、コスタコーヒーの初々しさが少しまぶしく感じました。
日本のコーヒーチェーン店は1位から5位(No.4タリーズ、No.5サンマルク)まで合計すると約4,900店舗になります。全国の市町村数は1,718ヶ所になるので、1市町村に2.8店のメジャーコーヒー店が存在する計算になり、これに地域や地元のコーヒー店がくわわるわけですから、日本のコーヒー文化は浸透していますね。1970年代にインスタントコーヒーが家庭に普及し60年~80年に喫茶店ブームが起こり、1995年以降でスタバ進出から第3のブームが始まり今に至ります。一方では値段は高くなりますが、焙煎からハンドドリップでコーヒーを提供するロースタリーカフェも根強い人気です。日本のコーヒー文化はさらに進んでいく気配がしますね。
(記:島村 美由紀/不動産フォーラム21 2023年11月号掲載)