MAGAZINE

2020.04.21

不動産フォーラム21

サブスクる くらしのススメ。― 美容院から住まいまで ―

  

 「サブスクしている」「サブスクで使っている」という会話をよく耳にするようになりました。サブスクとは“サブスクリプション”のことで、一定額を一定期間に支払いモノやサービスを利用する方式を意味します。日本のサブスクは2000年代初めにソフトウェア業界やエンタメ業界のネット配信サービスからスタートしていますが、今では私たちの身の回りや日常生活の一般的なモノやコトをサブスク活用で便利・快適にくらせる時代になりました。洋服のサブスクサービス「エアークローゼット」が面白いとのコラムで紹介したのが2017年12月で旬の話題でしたが、2019年のサブスク市場規模は約6,490億円となり2023年には8,600億円超が見込まれる成長市場と予測されています。

 

 今回は身近な分野で普及しているサブスクについてご紹介いたしましょう。

  
 

●美容院をサブスクる!
 いつも長い髪をきれいにウェーブしている知人がいます。多くの女性は時間とお金に余裕があれば週一でも美容院に行きたいところですが、「よく時間とお金があるわね」と知人に言うと、「サブスクで美容院を使っている」との答えです。よくよく調べると、「MEZON(メゾン)」という毎月一定額(16,000円〜35,000円)で280店以上の提携美容室のどの店でも利用でき、シャンプー・ブロー・ヘアケア等のサービスを受けられる美容院サブスクでした。知人は「もちろん、いつも人に会う時はきれいにスタイリングしておきたいと思って店へ行くけれど、仕事帰りにリラクゼーションのヘッドスパに行くことも多い。複数の店が利用でき、何度行っても一定料金なのでお得感あり」なのだそうです。かなり魅力的なコンテンツです。

 
 

●スキンケアの画期的サブスク
 メーカーによる化粧品のサブスクは誰もが想定できるサービスですが、資生堂が展開する「Optune(オプチューン)」は、スキンケア視点で利用客に一歩踏み込んだサービスを提供しています。まず1万円/月の料金で利用登録をし、専用アプリをダウンロードしてアプリに自分の肌を撮って肌状況を測定します。その肌情報に基づいた5本のカートリッジ(化粧品)とマシンが自宅に届きます。利用ごとに自分の肌を撮って水分・皮脂・毛穴やキメを測定、その日の気温や湿度、紫外線等は自動的にインプットされ、測定・収集したデータをクラウド上で分析したものがマシンにつながり、朝夜にマッチしたスキンケア化粧品がマシンより提供されるというもの。なんだか肌をお手入れするたびにスキンケアのスペシャリストにアプリを通して対応してもらっているような特別感あるサブスクです。気が利いたことにカートリッジも残量が自動計測され、最新肌データから選ばれたスキンケアカートリッジが自動で届く仕組みになっているそう。これで1万円は安すぎです。

 

 2019年7月からスタートしたサブスクですが、ネット接続によるパーソナライゼーション(個人に向けたサービスの最適化)の今後の進展に期待できるコンテンツです。

 
 

●スペースをサブスクする変わり種
 出張先で資料の大幅な直しや次の会議のための企画書作成等で作業場所を探してうろうろした経験はありませんか?
 
 困った時のスタバやホテルロビーでも空いていればよいのですが、 混んでいたりコンセントやWiFiが整っていなかったりとドタバタで冷や汗をかくことがあります。そこで仕事人にとって便利なサブスクがシェアオフィスサービス「OFFICE PASS(オフィスパス)」。全国200以上の拠点が13,871円/月で法人利用でき、出先でのワークスペースや会議室利用等が可能です。
 
 コワーキングスペースやシェアオフィスは働き方改革の時代に今や街の中の定番的存在になっていますから、これらのスペースをネットワークして全国各地で自由に活用できるサービスが生まれるのは自然な流れではないでしょうか。 
 
 スペースをサブスク変わり種を一つご紹介しましょう。定額で全国住み放題を提供する「ADDress(アドレス)」というサービスで、全国約30ヶ所の家を4万円/月で住むことができるというサービスです。「好きな場所を移動しながら生活」「週末は田舎でのんびり」というニーズにこたえたサービスで、選んだ家(古民家や別荘、旅館をリノベーションしたスペース)に家族や兄弟姉妹、祖父母、孫を同伴で月14日間を上限に宿泊することができ、寝具、家具、家電、アメニティが完備されています。1ヶ所に7日間まで滞在できるそうなので、知らない街に行ってみたい、大自然に飛び込みたいという現代人のノマド感覚を満たすには、若者だけではなく熟年者にとっても好奇心がわくサービスです。家守(やもり)というコミュニティマネージャーが各地にいて交流やローカル体験をサポートしてくれるというのも心強い体制です。
 
 

 このように驚くほど多彩なサブスクが世の中に登場しています。トヨタもついに新車のサブスクを始めました。モノの所有からモノやサービスの利用へと人々の意識が大きく変化する時代、新たなビジネスモデルが次々と生まれています。

 
 

(記:島村 美由紀/不動産フォーラム21 2020年4月号掲載)