2011.12.21
日経流通新聞
「増えるコラボツリー Xマスらしさ演出、忘れずに」
クリスマスが目前に迫った。例年、都内商業ビルでは華やかなツリーが飾られ、各館のデザインセンスがうかがえて楽しいものだ。
それが今年は違う。今までは独自のツリーが主力だったが、今年は協賛プロモーション型ツリーが増えている。渋谷パルコは資生堂コスメブランド「マジョリカマジョルカ」、表参道ヒルズはウォルトディズニー生誕110周年記念プロモーションの10メートルディズニーツリー、ラフォーレ原宿はSEE BY CHLOEクリスマスイルミネーション、丸ビルや新丸ビルは「宝塚歌劇展」というように、コラボ型の演出が多く登場している。
中でも渋谷パルコの資生堂とのコラボツリー=写真=は、コスメドレッサーとクローゼットを掛け合わせたデザインの「ドレッサーツリー」。師走の渋谷公園通りに、楽しくかわいらしい景色を提供し人目を引いている。シャンデリアやミラー等の飾りでデコレーションされたドレッサーツリーの中に入ると、全身を映す鏡があり、鏡の中の自分の姿に王冠やひげ等でいたずらできるという「変身体験」の遊びが楽しめる。夕方や週末ともなると、関心を持つ若い女の子達の行列ができる。
商業ビル側ではクリスマス演出をいかに成功させるか、例年夏過ぎから苦心の計画を立てているものだが、コラボ企業の協力はクリスマス企画の救いの神だ。おそらく来年以降、このプロモーション型コラボツリー演出はより拡大傾向になる予感がするが、くれぐれもシーズンを感じさせてくれる”クリスマスらしさ”は忘れてほしくないものだ。
(記:島村美由紀/日経流通新聞 「How To 商い」 2011年12月21日掲載)