2011.11.16
日経流通新聞
「つけまつげのマネキン人形 今どきファッションにマッチ」
マネキン人形に新顔が登場している。顔はまっ白だがつけまつげで表情を演出しているキュートな人形たちだ。
2009年ごろから若い女性ファッションの主流になった”ガールズファッション”の店頭でこの「つけまつげマネキン」が活躍している。女の子らしいかわいいテイストのファッションにマッチするマネキンとして開発されたのがこの人形だ。つけまつげだけで今どき感を出す表情のパワーには恐れ入る。つけまつげがメイク手法のトレンドアイテムになり、一般化した証しともいえるだろう。
2000年代、ギャル文化が勢いを増す中で「小悪魔ageha」のようなメイクとヘアのトレンドが生まれた。アイメイクが注目される中、マスカラ、アイライナー、カラーコンタクト、そしてつけまつげへと目を印象付ける「目ぢから」メイク手法が流行した。
その中でもつけまつげはドラッグストアやコンビニエンスストアの安価化粧品売り場で販売され、1000円前後で多様な種類が手軽に購入できるとあって、若年女性の間でつけまつげブームがおこった。このごろでは、濃いメイクに抵抗感の薄いバブル期に青春をすごした40代後半~50代前半の女性にもチャレンジ派が増えているらしい。
さらに前記したガールズファッションは、日本発の流行として中国や韓国にも上陸しているが、上海や北京ではおしゃれ派女性がつけまつげメイクを始めている。今秋は中国内陸部の成都でも「つけまつげ女子」を見かけるに至っている。つけまつげマネキンの愛らしい目ぢからで、秋冬ファッション市場の盛り上がりに期待したい。
(記:島村美由紀/日経流通新聞「How To 商い」 2011年11月16日掲載)