2009.04.15
日経流通新聞
「空港ロビーでスイーツ 羽田から「スター誕生」?」
羽田空港第一ターミナル出発ロビーに「羽田スタースイーツ」というプロジェクトが昨年十二月から始まり、話題になっている。通路上にモダンなブースを設置し、都会の旬な四店のスイーツブランドを導入、半年ごとに店を入れ替えていこうという新しい試みだ。
プロジェクト開始から既に四ヵ月が経過し、面白い売り上げ傾向が出ている。一つは「生」ほど客の人気が高いことだ。遠方まで飛行機で移動する旅客は持ち運びしやすい品を選びやすいというのが定説とされてきた。しかし、保存剤を入れた生ケーキやチョコレートやカップ入りゼリー菓子が飛ぶように売れている。
二つ目は「甘党男子」が潜在化していたこと。スタースイーツは通路に面した店のため男性にとっても入店しやすい。訪問先や家族への手土産はもちろんのこと機内で食べるからという一個買いの男性需要も多い。多忙なビジネスマンにとってホワイトデーなどのイベント日には絶好の買い物の場になっている。
三つ目はブランドの宣伝効果が大きなこと。さすがに全国からの旅客が日に九万人利用する第一ターミナルだけに、今出店しているブランドでは、ネット販売や百貨店内店舗の売り上げアップという間接効果をもたらしている。空港というプレゼンテーションステージとしての強みを物語る話だ。
「羽田スタースイーツ」のロゴマークは小さな点から成る大きな星形。羽田から数々の旬なブランドが紹介され、やがて大きな星となる羽田の「スター誕生物語」が生まれることを期待したい。
(記:島村美由紀/日経流通新聞「How To 商い」 2009年4月15日掲載)